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探偵のお仕事ブログ

彼女を取り戻したい・接触開始|別れさせ屋工作③

6年間の交際は長い。

依頼人大杉さんが29歳の時から交際を始め

35歳になるまで交際を続けた。

この6年の間に大杉さんは職場内での立場も変わり、

ようやく安定した家庭を築けそうだという自信を元に

彼女と結婚しようと思っていた矢先の別れ話だった。

とにかく落ち込んだ。

そして後悔した。

これから先、彼女以上の女性と巡り合うことはできないだろうと

心から悔やんだ。

1日の中で自分の接し方に問題があったと反省する時間もあれば

身勝手な彼女のことを嫌いになろうと努力する時間あり

それ以外の時間は無気力な時間を過ごした。

仕事がある日は忙しさにまかせて忘れられる時間があるからまだいいが

休みの日がとにかくつらい。

彼女と付き合う前はどういう休日の過ごし方をしていたかを

どうしても思い出せないでいた。

そんな時に別れさせ屋という仕事があることをネットで知った。

半信半疑ではあったが、何かをしていなければ自分がどうにかなってしまいそうだったので

依頼してみた。

担当員さんがついて色々なアドバイスをくれた。

担当員さん自身も同じような経験をされているとのことで

深夜まで一緒にお酒を飲みながら語った事もあった。

そういうことを続けていく内に段々と、自分はこのままではいけない

前向きに生活しなければならないといけないと思えるようになってきた。

さて対象男性加藤氏の印象はとにかく見た目がチャラい。

しかし電車内でお年寄りに席を譲るなどを見ていると案外いい人なのかも知れない。

今回接触するのはユカリさん(30才、管理栄養士、元スポーツトレーナー)という

女性工作員である。

加藤氏が病院内で買うお弁当や仕事帰りに購入するものを見ると

喫煙者ではあるが健康志向だと推測された。

見ている限りお肉は食べておらず、お昼のお弁当も野菜系のおかずをメインに食べ

なおかつご飯は一口だけしか食べないという徹底した食事管理をしている印象が

強い。

11:30ユカリさんが病院屋上で待機する。

ユカリさんは胸に手製の管理栄養士という名札をつけていた。

屋上は患者さんや見舞い客が自由に行き来できるため

怪しまれることはない。

11:48加藤氏がお弁当を持って屋上に上がってくる。

屋上のいつもの定位置であるベンチに腰掛け、お弁当を広げる。

隣のベンチにはユカリさんが座っており、加藤氏はユカリさんに軽く会釈する。

それと同時に胸の管理栄養士の名札も見ていた。

加藤氏は相変わらずお弁当の野菜を中心に食べ始めた。

時折ユカリさんが気になるのか、チラッと視線を送る。

その時、ユカリさんも加藤氏を見たので視線が合った。

「この屋上気持ちいいですね。」とユカリさんが話しかける。

「ええそうなんですよ。雨が降っていなければ毎日ここでお昼を食べてます。」と

笑顔で答えてくれる。

「あの・・差し出がましようですが、栄養がビタミン系に偏っているので

カルシウムや脂質なども摂られた方がいいですよ。」とユカリさんが提案してみる。

「そうですか、どういうものを食べれば効果的に摂取できるんですか?」と

食いついてくる加藤氏。

その後、健康な食生活談義が30分ほど続くことになる。

「ありがとうございます。勉強になりました。」と加藤氏はお礼を言ってくる。

「もし良かったらなんですけど、また質問したいことがあるかも知れないので

連絡先を伺ってもいいですか。」と言いながら加藤氏はポケットからスマートフォンを

取り出す。

「はい、私も病院のことをもっと知りたいのでご連絡しますね。」と応え、

連絡先の交換をする。

その日の夜、加藤氏から今日の食事ですという画像付きのメールが届いた。

このメールをきっかけに深夜までメールのやり取りが続いた。

翌日も翌々日もメールは続いた。

そして仕事終わりにご飯を食べましょうという約束をすることができた。

攻撃開始である。

次回、彼女を取り戻したい|別れさせ屋工作④へ・・続く。

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