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探偵のお仕事ブログ

離婚したい・離婚の成立|別れさせ屋工作⑤

離婚するにあたって一番頭を悩ませていたのは

お子さん達の存在である。

夫は子供達にとって唯一無二のパパである。

どちらと一緒に住むかは子供たちの意志で決めればいいと思っている。

離婚するとなった時に、基本的には母親である藤野さんが引き取って

育てるつもりでいるが、親権問題が障害となって

離婚成立までの時間が長引くのであれば、親権を夫に譲ってもいいとまで

考えていた。

それほどの決意でご主人と離婚したいと思われているのである。

さて・・・対象者であるご主人藤野氏は、女性工作員レイコさんとの

デートを順調に重ねていた。

そして日を追うごとに、藤野氏の髪型やファッションが少しずつ変化していき

口臭や体臭も気になるのか、香水やマウスウォッシュを頻繁につけるようになった。

家の中でもスマホを常に持っていて、LINEの着信音が鳴る度にニヤニヤとしているのだった。

そろそろ仕上げが必要と思った担当員は依頼人藤野さんと打ち合わせを行う事となった。

藤野さんはご主人の変化に呆れながらも、着々とゴールに向かっている状況に

満足されている様子だった。

最近藤野氏は家で優しい態度でいるそうである。

積極的に家事や育児に関わり、ニコニコと笑顔を絶やさない状況で

少し気持ちが悪いと藤野さんは話されていた。

後はご主人の浮気現場を押さえれば、自分で離婚を進めることができるという

お話を頂いたので、そういった段取りを組むこととなった。

そして・・当日。

この日は週末で藤野さんは、藤野さんの母親とお子さんたちと一緒に映画を見たあと

夕飯を食べに行くという話を夫である藤野氏にしてあった。

藤野氏はこの日は飲み会があるから帰りが遅くなると藤野さんに話してきていた。

実際はレイコさんとのデートである。

その日の19時半過ぎ・・。

藤野さん一行は映画を見終えて、レストランで食事をしていた。

一方、藤野氏とレイコさんも居酒屋に入って飲み始めていた。

対面の席なのに、隣同士に座る藤野氏とレイコさん。

お酒のピッチが上がる藤野氏だった。

この居酒屋と藤野さん一行がいるレストランは隣のビルである。

1時間半ほど飲んだあと藤野氏とレイコさんはお店を出ることになった。

藤野さんに一行もデザートを食べ終え、ちょうどいいタイミングである。

居酒屋の会計を済ませた藤野氏はビルのエレベーターに乗り込む。

エレベーター内で思わずレイコさんを抱き寄せてキスをする藤野氏。

その流れでレイコさんの腰を持ちながら、レイコさんは藤野氏の腕に

絡みながらエレベーターを出てくる。

ここに隣のビルから出てきた藤野さん一行が接触する。

最初に気がついたのは藤野さんの母親である。

思わず「あっ。」と声をあげるお母さん。

藤野さんのお母さんが見ている方向を一斉に家族が見る。

知らない女性と藤野氏がイチャイチャしながら歩いている様子を

家族全員で見てしまったのである。

母親はすぐに子供達を違うところに連れて行こうとするが

子供達が「あっパパだ。何やってるの?」と大声で話し始めた。

その声に気が付いた藤野氏は、子供達を見て慌ててレイコさんから離れるのだった。

藤野さんは黙って、何か言いたそうにしている母親と子供たちを連れて

近くに止まっていたタクシーに乗り込んだのである。

呆然とその光景を見送る藤野氏。

タクシーの中で、藤野さんは「子供達やお母さんにあんなダラシない姿を

見られたら、もうやっていけません。さようなら。」というメールを送ったのである。

藤野氏はレイコさんと離れ、近くのタクシーに乗り、藤野さん一行より早く自宅に到着した。

しかし後の祭り。

玄関前で待っていた藤野氏を無視して、藤野さん一行は自宅内に入って行く。

子供たちの藤野氏に対する視線も厳しかった。

その後、子供たちを寝かせたあとに藤野さんの母親を交えて話し合いが持たれ、

離婚することが決まった。

子供たちは藤野さんが引き取る事となったが、藤野氏は父親なので

会いたい時には会いに来てもいいという取り決めもした。

通常お子さんを交えた工作は行わないが、依頼人の指示によって

荒療治となってしまった。

後日談であるが、離婚して藤野さんと藤野氏は別々に暮らしていたが

半年ほど経った頃に、再び復縁された。

藤野さんは藤野氏と離れて暮らしてみると、藤野氏のことを考える事が多くなっている

自分に気が付いた。

そしてお子さん達も藤野氏が遊びに来ると楽しそうにしていた。

毎回藤野氏が子供達に会いに来るたびに、藤野氏から「俺が悪かった。もう一度チャンスが欲しい。」と

言われ続けていた藤野さんは、OKを出したのである。

藤野さんにとっては、別れさせ屋工作で幸せのカタチを再認識出来たのかも知れない。

藤野氏にとっても、馴れ合いになっていた夫婦生活を改めて見直すキッカケになったようである。

藤野さんの幸せを願う担当員だった。

離婚したい|別れさせ屋工作・・終わり。

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